失敗談と体験談
今回は、酸素バーナーの体験談ですよ。 酸素バーナーは、エアーバーナーと違って、火力がかなり高温になっています。 そのため、下手に鉛ガラスなんかを酸素バーナーで溶かそうとすると、本当に液体に近いような軟らかさに なってしまいコントロールがしにくくなってしまいます。 パーツなど早く溶けるのでは?なんて思って酸素バーナーを使うと、炎の当たる表面のガラスだけが急激に 軟らかくなりすぎて、どんどんパーツが崩れていくなんて結果になっちゃったりします。 やはり、ガラスにあったバーナーを使う必要があるんですね。 なんでも相性ってものがあるようです。 |
技術を習得するためには、どの分野でも失敗はつきものです。 バーナーワークや吹きガラスなどのガラス細工は、一時中断や途中からやり直しがきかないため、 他のもの作りよりも失敗が多くなります。 自分も色々な物作りに挑戦しましたが、1番感覚を掴むのが難しいと思いました。 バーナーワークでは、1つの技術を習得するのに、200や300の失敗は極普通。 難しい技術になれば、1000回以上の失敗もざらにあります。 自分の作りたい作品の目標が高いほど、失敗に対する耐性と不屈の気持ちが必要になります。 次も失敗するかも・・・の気持ちを、次こそは成功させる、自分なら出来る、の気持ちに出来ないと、 どこかで気持ちがへし折れてしまいます。 ガラスを巻き取るのに数百個、形を整えるのに数百個、点打ちに数百個、模様描くのに数百個、 線を引くのに数百個、技術を覚えるたびに、数百個も失敗してれば気持ちも折れそうになります。 そんなに人間強くはありませんから。 そんな時は、大切な人に作品をプレゼントしたい!プロになりたい!など、思い入れの強い気持ちを 持つと耐えれることが多くなりまし、成長も早まる相乗効果が期待できます。 精神的に強く責任感がある方は、明確な期限付き目標を作るなどすると効果ありですよ。 |
自分は教室やワークショップなどで、技術を教える立場にあります。 そんな中で、教える立場から作り方の見本を見せる時に、ここをよく見て欲しいという部分があります。 それは、作り方の方法と動作。 模様そのものは、見本で見せている模様なので、正直そこを良く見ても特に意味はないんです。 見本の模様は、技術の感覚を掴むための目安であり、練習して技術を確認するための指標。 大事なのは、その教わった動作を見て、それを自分なりの考えて使っていくことなのです。 技術は、デザインではなく、方法と動作にあります。 それを理解し、作り方を見ることで学ぶことは多くなりますし、作品もオリジナルを作れるようになります。 逆に、技術を模様として見てしまうことで、作れる幅は極端に狭くなります。 技術を技術として見る、案外簡単そうで難しいもの。 自分で作って見ながら、自分の技術の概念を見直して見ることも大事なのかもしれません。 |
技術集を書いたり、教室で教えたり、作品作りをしていて、自分なりに技術の復習をするのですが、復習を 繰り返していくうちに、基本の技術さえ覚えれば後は自分次第、と思うようになってきました。 技術というと、点打ちや線引きやレース棒やケーン棒・・・などなど、と始めのころは思っていたのですが、 結局のところ、溶かす、くっつける、引っ張る、伸ばす、塗る、押し込む、つぶす、といったものが基本技術で、 点打ちや線引きとかは、基本的なデザインなのでは、と思うようになりました。 パーツやレース棒、点打ちや透きがけ、そういうものは、上記に書いたものの複合体。 そう思うことで、今まであった固定概念のようなものが消えてなくなり、まだまだ可能性は無限にある、 と思えるようになりました。 自分の表現したい模様を考えたら、それに基本の技術を組み合わせていけば、大抵表現できるはず。 そう思えたら、一気に表現できるものが増えました。 基本に気づくことで、練習するときも、何を練習すればいいのか明確になり、格段に進歩できるようになります 作品を作るのは積み重ね、楽して作れる作品なんて言うのは1つもありません。 地道な技術の積み重ねが、自分の作品に変わって行くから、作品が自分の魂の欠片となります。 |
とんぼ玉を制作中、失敗したらどうするか? そのまま終わりにしてしまうのか? それとも、水にドボン? 離型剤が剥がれてしまった、割れたなど、どうしようもない失敗に関しては仕方がないのですが、 ただ、自分の模様入れの失敗だけでのとき、そのまま終わりだったり、水にドボンでは あまりにガラスに申し訳ないように思います。 離型剤が剥がれる、割れるなどの、取り返しがつかない失敗以外は、取り返せるものです。 自分の場合は、全く別の模様に作り変えしまったり、ちょっとしたものであれば、摘み取ったり その模様の上に別の模様をかぶせたりしています。 いい作品を作るのには、集中力の持続が必要になります。 失敗したというだけで集中力を切らしていては、いい作品には辿り着けないもの。 失敗を失敗で終わらせず、失敗の先まで考えてみるのは大事なことだと思います。 失敗を失敗したまま終わりなんて、今の政治○と変わりません。 そうならないように、作った作品の最後まで付き合ってあげるのが、制作者の責任です。 |
技術を習得していく上で、道具は重要なものですよね。 ガラスを溶かすためには、炎を出すための道具が必要ですし、形を整えるためには鉄製の板状のものが必要になります。 バーナー、コテ、針状のもの、ピンセット、鉄板、鉄の棒などが基本的な道具として、他にも便利な道具があります。 今は、かなり道具が充実してきて、お金を出せば簡単に手間を省けるものがたくさん出てきました。 そんな中で、自分は便利な道具は使わないようにしています。 必要最低限の道具で作ることを心がけているのは、道具に頼ると技術がなくなるからです。 応用も利かなくなりますし、単調で似たような物しか作れなくなってしまいます。 技術を習得したいなら、必要最低限の道具以外は使わないのが大事だと思います。 基本が出来るようになって、応用まで出来て、技術を習得してからなら使うのは構わないと思います。 便利なものに頼ってなくなっていったものは、日本にたくさんあります。 便利に頼る危険性も考えて、道具を使うことは大事です。 自分自身の作品の質を向上させるのは、道具ではなくて技術です。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|